高橋院長おすすめ健康増進法
腸内環境を整えるとは
腸内環境を整えるとは
腸内環境とは、腸に生息するさまざまな細菌の集まりである「腸内フローラ」です。
人間の細胞が60兆個なのに、腸内細菌は1000兆個、1000種類以上いるといわれており、
重さにすると約2kgにもなります。
これら多くの常在細菌は宿主である人という世界でバランスを取っていると同時に
われわれ人間とも物質的なやり取りをして共存・共生しています!(エコシステム)
腸内に生息する細菌は大きく3種類に分類できます。
◆善玉菌 代謝物が消化吸収に役立つなど、人体によい影響を与える細菌
(乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など酸を酸性)
◆悪玉菌 下痢や便秘を引き起こしたり、人体に有害な毒素をつくったりする細菌
(フィルミクテス門:肥満菌)
◆日和見菌 善玉菌、悪玉菌の数が多いほうの味方をする菌
(バクテロイデス門:善玉菌を好む、抗肥満菌)
これらの細菌の割合を理想的なバランスに保つことが、「腸内環境を整える」ということです。
その理想的なバランスとは、「善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割」。
善玉菌が悪玉菌より多い状態を保つことが大切です
腸内細菌のなかで圧倒的に多い日和見菌は、普段はおとなしくしているものの、
体が弱ったり、悪玉菌が増えたりすると腸内で悪い働きをするため、
普段から悪玉菌より善玉菌が多い環境をつくっておくことが重要です。
腸内環境が整うと得られるメリットはいっぱいです
便秘解消(黄色いバナナうんちが、ツルンと出ます)し
大腸ガン予防
免疫システムに関与し、
ウィルスや病原菌から身を守ったり、アレルギー予防に関与
糖尿病・肥満などの生活習慣病を予防
お肌もツルツルでアンチエイジング
メンタルが安定(自閉症、うつ改善)
腸内環境を整えるためにできること
栄養素は、糖質、蛋白質、脂質の3つ(3大栄養素)だけではありません。
健やかに生きていくためには、更に
ビタミン・ミネラル・食物繊維・フィトケミカルなども人に必要です(7大栄養素)。
これらが不足した、精製加工された(超)加工食品ばかり食べていると必ず病気になります。
(現代型栄養失調といいます)
その原因は、精製過程で食物繊維、ビタミン、ミネラルが捨てられるからです。
これらの栄養素を手軽に効率良く補う一番良い方法は
食物繊維を意識して摂取することです。
食物繊維は、善玉菌のエサになり、
腸内環境を酸性に維持することで悪玉菌を抑えます。
また、産生された酪酸が大腸粘膜細胞のエネルギー(*)になります。
水溶性食物繊維は、粘膜IgA分泌を促進します
これらは、アレルギーや糖尿病に予防的に働きます。
食物繊維には、水溶性と不溶性がありますが
今、注目されているのは、発酵性が高い、水溶性食物繊維です。
いわゆる「ネバネバ・ツルツル・トロトロとした食感」のものです。
穀類:大麦、オートミール、ライ麦など
( 手軽に手に入るOrganic Pure Oats(日本食品)は、
フィンランド産のためグリホサートのリスクはないです)
海藻:ひじき寒天、のり、わかめ、昆布、もずく、めかぶなど
野菜:モロヘイヤ、オクラなど
芋類:こんにゃく、じゃが芋 里芋 長芋など
果物:いちご、みかん、アボカドなど
不溶性でもレジスタントスターチや、小麦ブランに含まれるアラビノキシランなど、
穀物類に含まれる一部の不溶性食物繊維は、
腸の有用菌のエサとなることが判明し、発酵性食物繊維と見なされています。
上記のような日常の食材を摂取する習慣にするのがお勧めですが
植物に含まれる食物繊維を抽出したイヌリンや、
レジスタントスターチ(はじめての腸活など)、など便利な食物繊維のサプリメントもあります。
習慣にしてもらうためには、経済的なことも考えて
個人的に、おすすめは以下です
・白米に押し麦10-20%を加えて、うちの白米として食べる
・粉寒天をいろいろなものに加える
・間食にオールブラン
日本人皆さんが、この食習慣をしてもらえたら、
いずれ、病気が減って、日本の医療費は半分になると思っています!
(*)
体内発酵で「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」が産生されます。
酢酸やプロピオン酸、酪酸などの総称です。
大腸内の炎症を抑えたり、脂肪の蓄積を防いだりなど健康維持に役立つさまざまな働きがあります。
補注:
いわゆる、発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、
胃酸に弱く(BB12以外)生きて腸に届くことが難しいため、
単に発酵食品を摂取するだけでは善玉菌を増やすのは難しいのです。
また、せっかく摂取しても、自分に合った菌でないと腸には定着しにくい
日本人は、ヨーグルトなど動物性乳酸菌より
味噌、ぬか漬け、納豆など植物性乳酸菌の方が定着しやすいです。