あいデンタルメディカルクリニック コラム

お役に立てるかも院長ブログ

グルテンとビールの泡

GWが過ぎ

花粉症もピークを過ぎました。

少しずつ初夏に向かっていく気配を感じ、

いよいよ、ビールがおいしくなりますね。

 自分は、専ら

 グルテンフリーの

 泡盛や芋焼酎ですが

透明感があり、

泡持ち豊かなビールのTVコマーシャルは

気になりますね。

 

ビールの主原料である麦芽(モルト)には

 グルテンが含まれています。

 また、ホワイトビールは

 泡もちが良いですが

 グルテンが多い小麦が原料です。

 Proteomic and peptidomic characterisation of beer: Immunological and technological implications

 Picariello et al.

 Food Chemistry, 124 (2011), pp. 1718-1726

健康志向の流れで

 グルテンフリーの商品が増えています。

 

このグルテンを分解する酵素は“DPP-4”です。

 内科医や糖尿病の人にとっては、

 糖尿病の薬で、

 この酵素を阻害する

 DPP-4阻害薬が連想されるでしょう。

 

健康志向的な発想からすると

 悪名高いグルテンを消化してくれる酵素を阻害するなんて!ですね。

 難消化性のグルテンが

 更に消化できなくなり

 グルテン不耐症や、リーキーガットを悪化させます。

 Abrahami D, et al. 

Dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and incidence of inflammatory bowel disease 

among patients with type 2 diabetes: population based cohort study. 

 BMJ. 2018 Mar 21;360:k872. doi: 10.1136/bmj.k872.

更には、

グルテンの未消化産物であるグリアドルフィンなどの中間産物が

 脳内にてモルヒネ様の作用を起こし、精神症状の原因になることが知られています。

  Casomorphins and Gliadorphins Have Diverse Systemic Effects Spanning Gut, Brain and Internal Organs.

  Woodford KB.

  International Journal of Environmental Research and Public Health. 2021; 18(15): 7911

 

グルテン(麦に含まれるタンパク質)から生じるペプチドをグリアドルフィン、

カゼイン(乳製品に含まれるタンパク質) から生じるペプチドをカソモルフィンと言います。

 共に分子量が約800前後と小さく、

 腸管から血中へと移行し、

 脳関門を通過し、脳内に到達しやすいことが考えられます。

 脳内へ到達すると、脳の鎮静受容体と反応します。

 グリアドルフィンとカソモルフィンはヘロインやモルヒネと同様の働きがあり、

 脳でのGABA の働きを抑制し、

 ドーパミンの分泌を促すことがわかっています。

 (糖尿病や心筋梗塞合併などハイリスクな人は

  指示された内服はしっかりして 

  食事でグルテンフリーに努めましょう。逆は危険ですよ)

 

こころの問題、発達の問題、慢性疲労、アレルギーなどの慢性疾患の方は

ご相談にのりますよ。

             あいデンタルメディカルクリニック院長 高橋一浩