母と子の漢方
おねしょと漢方
膀胱機能など自律神経系の発達は
体の発達より遅いです。
おねしょをする子は
見た目が、幼いことが多いです。
つまり、自律神経系は更に幼いということです。
夜尿症は10歳頃までには落ち着いてきますが、
この成長過程には個人差があります。
こどものおねしょは病気ではありません。
早生まれくらいの感覚で
この子はスロースターターだと思ってください。
親御さんが心配される気持ちも分かりますが
そこに過度に注目すると、
こどもを緊張させてしまいます。
見た目が成長してくれば
おねしょは治っていきます。
大人になっておねしょで悩んでいる人っていないですよね。
それまで、如何に寄り添ってあげられるか
親の力の見せ所です。
お気軽にご相談ください。
基本方針:
子育ての基本は、昔から変わっていません。
規則正しい生活習慣(くう、寝る、だす、動く)を
親子で意識してください
体を冷やさず、ブルーライトは控えて
安眠できるように環境を整えましょう
育児は期間限定なのですから
楽しんでください
親子で、おおらかに生活しましょう
生活習慣を見直しましょう
就寝3時間前には食事をして
夜の水分の摂取量を減らし
就寝前にトイレをすませましょう
毎日、朝起きたら排便する習慣が大事です
(腸内環境を整えることは、当院が最も重要視していることです)
医療としてできること
▼西洋医の眼
ぴたりと夜尿症が治る特効薬はありません。
バソプレッシンという抗利尿ホルモン剤、抗コリン剤が処方されます。
▼漢方医の眼(全人的にアプローチし、一石二鳥です。当院の強みです)
漢方薬も特効薬はないですが、
おしっこ以外にも、虚弱体質、精神的要因や、水毒を改善することにアプローチできます。
便秘で直腸に便がたまっていると、その横にある膀胱は便塊で圧迫されて尿をためられません。
便秘があれば、便秘を解消しましょう。(めざすは、ツルンと快便、黄色いバナナうんちです)
当院では、水溶性食物繊維を摂取することをおすすめしています。
姿勢や適切な運動習慣で腹筋をつけることから始めるのもお勧めです。
緊張があると頻尿にもなり、頻尿だと1回に貯める量が減るので膀胱が伸びません。
緊張しやすいお子さんには、リラックスできる環境を整えていきます。
漢方薬がイライラや不安に効果があります。
子は親の鏡です。お母さんも、実は、生きづらさを抱えていませんか?
一緒に、楽になりましょう。
ご家庭でチェックしてください
おむつの就寝前後の重さの差から、夜間の尿量を量ってみましょう
週末には、おしっこ我慢して、1回の膀胱容量を量ってみましょう
タイプ別対応
夜間多尿型
夜間尿量が1ml/Kg/hrより多い場合をいいます。
30kgのお子さんが8時間寝た場合、30(kg)×1(ml)×8(時間)=240ml 以上の尿があれば夜間多尿です。
就寝前の飲水量に気をつけても夜間の尿量が多い時は、
まだ、自律神経が未熟で、バゾプレッシン分泌不全の可能性があります。
デスモプレシン製剤内服が有効です。
膀胱型
膀胱が貯められる量が少ないために、overflowするおねしょです。
この場合は膀胱容量を増やしていきます。
お子さんの膀胱容量が年齢相応か確認します。
週末、日中になるべく尿を我慢させた時の1回の尿量(我慢おしっこ)を量ります。
膀胱容量は「(年齢 + 2)×25(ml)」あれば年齢相応と考えられます。
7歳だと225ml、8歳だと250ml、9歳だと275mlとなり、
これより少ない時は、週末などに
日中に尿を我慢して、
徐々に膀胱に貯められる量を増やしていく方向で治療を行います。
膀胱容量を増やすには、薬剤の抗コリン薬、漢方薬が有効です。
おねしょアラーム治療も結果的に膀胱容量を増やしていくと言われています。
もし、常に昼も尿漏れが続く場合は、生まれつきの身体の構造から尿漏れしている可能性が考えられます。
まずは一度、医療機関にご相談ください。