あいデンタルメディカルクリニック コラム

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夏バテかと思ったら起立性調節障害ODかも?

夏バテかと思ったら「起立性調節障害(OD)」かも?

西洋医学と東洋医学で紐解く、繊細な身体のクセ

 

1. そのだるさ、本当にただの「夏バテ」ですか?

「今日はもう6月、一気に夏めいてきましたね。

なんか体がだるくて~、夏バテかなぁ、

冷たい飲み物飲みすぎて食欲がなくなっちゃった」

最近、外来や街中でこんな声を本当によく耳にします。
いわゆる気象病(寒暖差や低気圧)に悩む大人だけでなく、

この季節、実は「朝起きるのがどうしても苦手」「午前中ずっと体が動かない」という

起立性調節障害(OD)の子どもたちが、夏バテの影にたくさん隠れています。

実は、こうした症状が出やすい人たちには、

西洋医学的にも東洋医学的にも、

共通する「体質や心身のクセ(システムのエラー)」があるのです。

2. 西洋医学で見る:外圧に耐えられない「バッファ(ゆとり)」のなさ

ODや夏バテになりやすい人の身体は、

一言でいうと

「外からの刺激(重力・気温・気圧・ストレス)に対する防壁が薄い」状態です。

身体の中に「ゆとり(バッファ)」がないため、

ダイレクトにダメージを受けてしまいます。

  • 血管が圧に耐えられない
    暑くなると、身体は熱を逃がそうとして皮膚の血管を広げます。
  • 心臓が「待てない」から頻脈になる
    血液が戻ってこないと、心臓はパニックを起こします。
  • 二酸化炭素の急激な変化に耐えられない
    脳の血流が下がると、焦って呼吸が浅く速くなります(隠れ過換気)。

ただでさえ重力に負けて血液が下半身に溜まりやすい(血管の締まりが弱い)人がこれをやると、血液が下半身や内臓に貯まり、脳に戻ってこなくなります。

本来なら、リラックスして血液が溜まるのを「待つ時間(拡張期)」があるのですが、待っていても血液が来ない。脳を気絶させるわけにはいかないので、心臓は「1回に溜まる量が少ないなら、回数で稼ぐしかない!」と、

待つことを諦めてバタバタと空回りを始めます。

これが、夏に悪化する動悸や頻脈の正体です。

すると血液中のCO2が減りすぎてしまい、脳の血管がさらに縮みます。

これでめまいや頭痛、シャットダウン(失神)が引き起こされます。

3. 東洋医学で見る:現代人が陥る「上実下虚(じょうじつかきょ)」

この身体のクセを東洋医学の目で見ると、まさに「上実下虚(じょうじつかきょ)」、

つまり「頭でっかちで、足元がガラ空きな状態です。

スマホの普及や過剰な情報、プレッシャーによって、

現代人はエネルギー(気血)がすべて「頭」に昇りっぱなしになっています。
その一方で、お腹や足元(土台)は冷えてスカスカ。

土台がグラグラしているから、気温のちょっとした変化や、外界のストレスという「外圧」に対して、メンタルも身体もすぐにキャパオーバーを起こして(小心臓になって)しまうのです。

4. 令和に失った「昭和の身体作法」を取り戻す

なぜ現代、こんなにも「重力や季節に負ける身体」が増えてしまったのでしょうか?
極論を言うなら、

私たちは「令和の便利さと引き換えに、昭和の身体作法を失ってしまった」からです。

  • 和式便所という「究極の自律神経訓練」の喪失
    昭和の日本人は、毎日和式便所で深くしゃがみ、排便のために「いきむ」ことを作法としていました。これは、お腹のインナーマッスル(腹横筋や横隔膜)をフル稼働させ、下腹部の「丹田(たんでん)」に強烈な腹圧をかける行為です。毎日無意識に「血液を上に押し戻す天然の加圧トレーニング」をトイレでやっていたのです。
  • 大地を踏みしめる感覚の喪失
    現代人は足裏で地面を感じる機会が減り、身体の重心がどんどん上に浮いています。

5. 今日からできる、身体のバッファを補う「令和のハック」

環境を昭和に戻すことはできませんが、

その「身体の知恵」を意識的に生活にインストールすることは今すぐできます。

当院でおすすめしている、ハードルを極限まで下げた処方箋です。

  1. 食後の「10回スクワット」
    運動不足やスタイルを気にする人に「食後すぐに10回だけスクワットして」と言うと、だいたいは「えっ、10回でいいんですか!?」と驚かれます。
    そう、10回でいいんです。身体で最も大きい太ももの筋肉を食後すぐに動かすことで、インスリンに頼らず血糖スパイクを予防し、下半身に溜まった血液を物理的に心臓へ送り返すポンプになります。慣れたら2セットに増やし、身体の「圧に耐える力(バッファ)」を育てていきましょう。
  2. トイレでの「前傾ポーズ」
    洋式トイレの足元に小さな踏み台(スツール)を置き、少し前傾姿勢になってみてください。和式便所に近い角度になり、眠っていた「丹田」やインナーマッスルが自然とONになります。
  3. 1日5分の「スワイショウ(腕振り運動)」やラジオ体操
    両足を大地にしっかりつけて、肩の力を抜き、腕を前後にぶらぶらと振る。これだけで、頭に昇りすぎた血が物理的に足元へ引き下がり、「頭でっかち」の自律神経がリセットされます。

結び

夏バテもODも、本人の「根性」や「やる気」の問題ではありません。

便利すぎる現代社会の中で、重力と戦うOS(身体の使い方)を忘れてしまった結果、バッファがゼロになっているだけです。

「10回スクワット」のような小さな作法から、身体にゆとりを取り戻していきませんか?お困りの方は、西洋医学・東洋医学の両面、そして栄養療法のアプローチから、あなたの身体の「バッファ作り」をサポートします。