あいデンタルメディカルクリニック コラム

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子どものスマホ依存は大人が作る― 発達特性から見たICT教育の落とし穴 ―

子どものスマホ依存は大人が作る

― 発達特性から見たICT教育の落とし穴 ―

 

最近、外来で強く感じることがあります。

子どものスマホ依存は子どもの問題ではなく

むしろ

大人が作った環境の問題

なのではないかと。

 

人は「境界」で生きている

人の体は、外界との境界でできています。

  • 皮膚
  • 感覚器

これらはすべて
外界と内界のインターフェイスです。

皮膚は触覚として世界を感じ
腸は食べ物を通して外界とつながり
感覚器は光や音を受け取ります。

人は、こうした境界を通して
世界とゆるやかにつながりながら生きています。

 

境界を育てるということ

人の体は外界との境界でできていて

皮膚、腸、感覚器といった世界とのインターフェイスで自己を感じます。

子どもは成長の中でこうした境界を少しずつ育てていきます。

 外で遊ぶ
 転ぶ
 友達とぶつかる
 けんかする

そうした経験を通して
身体と心の境界は育っていきます。

 

スマホは新しい「境界」

 スマートフォンは
 新しいインターフェイスです。

 情報の皮膚と言ってもよいかもしれません。

スマホは、
世界中の情報を
直接脳に流し込みます。

しかし、その刺激は
人間が長い時間をかけて適応してきた
自然の刺激とはまったく違います。

 

スマホは「心の余白」を奪う

以前書いたブログがバズっています。
「スマホは心の余白を奪う」

脳には、何もしていない時間があります。

 ぼんやりする時間
 空想する時間
 自分の気持ちを整理する時間

この時間、脳は

  • 記憶を整理し
  • 感情を整え
  • 自分を見つめ直しています。

ところがスマホは
この時間をすべて埋めてしまいます。

つまり

心の余白がなくなる。

 

発達特性とICT

ICTは決して悪いものではありません。

学習障害(LD)の子どもにとっては
大切な学習補助になります。

しかし

ASDやADHDの子どもにとっては
刺激が強すぎる

同じ道具でも
子どもによって意味は違います。

本来ICT教育は
こうした発達特性を考えて
使い分ける必要があります。

 

不登校とスマホ

外来で感じることがあります。

登校渋りの子でも
スマホやゲームが使えない環境では
意外と早く学校に戻ることがあります。

逆に

  • 近所のおばあちゃんの家
  • 別居している父の家

など
スマホが使える場所を見つけると
長引くことがあります。

子どもは
大人が思う以上に知恵を働かせます。

 

子どもの話を聞くときはスマホを置く

診察では
親御さんにお願いしていることがあります。

それは

子どもの話を聞くときはスマホを置く

ということです。

子どもは
大人が自分に注意を向けているかどうかを
とても敏感に感じ取ります。

スマホを見ながらの会話は
子どもにとって

半分無視されている

のと同じです。

 

スマホデビューは遅い方がいい

これからの社会で
ICTは必要です。

しかし
早ければいいわけではありません。

子どもの脳は
まだ発達の途中です。

身体を使うこと
外で遊ぶこと
人と関わること

こうした経験が
神経系を育てます。

 

子どものスマホ依存は大人が作る

子どものスマホ依存は
子どもの問題ではありません。

それは

大人が作った環境の問題

なのかもしれません。

便利な道具だからこそ
使い方を考える必要があります。

子どもたちの心の余白を守ること。

それは
私たち大人の役割なのかもしれません。