あいデンタルメディカルクリニック コラム

母と子の漢方

女性ホルモン作用以外で更年期障害に効く漢方

当院は、

 産婦人科ではありませんが、

 生理痛、生理に関連した不定愁訴、更年期症状など

 思春期以降の女性の心身のお悩みの相談をよくお受けします。

 漢方、心理学、栄養学などで改善されることが多いです。

  既に、ホルモン療法を受けていて

 それでも調子が悪いため受診されることもあります。

 また、お子さんの育児、発達のお悩みなどを同時に抱えていて

 お母さんの心身の不調が二の次になっていて

 悪循環で苦しんでおられることも多いと感じます。 

今回は、

 エストロゲン作用を持たない

 更年期症状を改善する漢方を紹介しましょう。

 乳がん患者さんなど、

 女性ホルモン作用が気になる方に選択しています。

桂枝茯苓丸     

 桂皮 クスノキ科のニッケイ類の樹皮。

    血行促進、解熱発汗・鎮静・末梢血管拡張・抗菌作用

 桃仁 バラ科のモモの種子。

    血液循環改善・抗炎症作用・鎮痛作用、

    炎症による充血や血行障害による疼痛を軽減

 牡丹皮ボタン科のボタンの根皮。

    炎症に附随する血液循環障害を改善、鎮痛・鎮静作用

    タンニンを多く含み強い抗酸化作用

 

当帰芍薬散     

 芍薬 ボタン科のシャクヤクの根。

    抗炎症作用と血液循環改善作用、補血作用

    骨格筋や平滑筋の痙攣を緩和・鎮痛

 茯苓 サルノコシカケ科のマツホドの菌核。

    胃腸虚弱や浮腫を改善

    精神安定に働き不安感を軽減。多糖成分に免疫増強作用がある

 当帰 セリ科のトウキの根。

    血管拡張・血行促進

    造血機能を高める補血作用。皮膚や粘膜の潰瘍の治りを促進

 川キュウ セリ科のセンキュウの根茎。

      血行促進。憂うつ・抑うつを改善する

      鎮痛作用(頭痛・腹痛・筋肉痛)

 蒼朮 キク科のホソバオケラ、シナオケラの根茎。

    消化管機能促進、浮腫や疼痛の軽減

 沢瀉 オモダカ科のサジオモダカの塊茎。

    利水作用と抗炎症作用

 

例えば、更年期症状について

 女性ホルモンの一つであるエストロゲンが、

 脂質の代謝に深く関わっていることが分かっており、

 閉経すると体内のエストロゲンの量が急に減り始めます。

 これに伴って、

 LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪は急激に増加します。

 60歳頃には女性の平均値は男性を上回ります。

 

脂質異常症自体は無症状で、

 検診で指摘されて受診するケースがほとんどですが、

 脂質異常が

 血の巡りを悪くして

 更年期症状を悪化させている場合もあります。

当院を受診される患者さんに多い

 “動脈硬化”の重要な危険因子であり、

 更年期症状だけを軽減するのではなく、

 生活習慣を変えて

 脳血管障害や心筋梗塞など動脈硬化性疾患を予防するように

 診療させて頂きます。