あいデンタルメディカルクリニック コラム

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依存症で脳は「溶ける」!

依存症で脳は「溶ける」!

オーストラリアがSNSを禁止した本当の理由と、

今すぐ始めるべき「休脳日」

 

「スマホばかり見ていると脳が溶けるよ」

昔は冗談のように聞こえた言葉が、今では笑えなくなってきました。
日本小児科学会の教育講演を聴いて、

これは単なる“しつけ”や“教育論”ではなく、

脳の発達そのものの問題であり、

国を守るための国家戦略になってきています。

 

世界初、オーストラリアの「16歳未満SNS禁止」

2025年12月、オーストラリアで世界初となる「16歳未満のSNS利用禁止法」が成立。

背景には、SNS上の「やせる方法」や過激なダイエット情報を信じ、

拒食症で15歳の娘を亡くした父親たちの訴えがあります。

さらに、SNSを介したいじめ、誹謗中傷、自傷誘導。
それらが、自殺や死亡例につながっていた。

つまりこれは、

「スマホの使いすぎに注意しましょう」

というレベルではありません。

国防という国家戦略として、
「子どもの脳の発達を守らなければならない」
という段階に入ったということです。

しかも、この流れはオーストラリアだけではありません。
イギリス、フランスなど欧州各国でも、年齢制限や規制の議論が急速に進んでいます。

 

「脳は萎縮する」――久里浜医療センターの警鐘

さらに衝撃だったのは、依存症の脳画像の話です。

国立病院機構久里浜医療センターでは、ネット依存の子どもたちの脳を調べた結果、

理性や感情をコントロールする前頭葉(前頭前野)の一部に萎縮がみられたと報告。

前頭葉は、

  • 我慢する
  • 感情を抑える
  • 先を考える
  • 他人の気持ちを想像する

といった、人間らしい「ブレーキ」を担う場所です。

ところが依存状態になると、
脳の「報酬系」が過剰に刺激され、
ドーパミンが出続ける。

すると、
「もっと刺激を」、「もっと快感を」
と脳が求め続ける一方で、

前頭葉が溶けて(萎縮して)ブレーキが効かなくなる。

結果として、

  • キレやすい
  • 我慢できない
  • やめられない
  • 不安定になる

という状態が起きる。

これは意思の弱さではなく、脳の機能と構造の変化です。

ホラーです。

 

「1日1時間」が境界線

さらに東北大学の研究では、毎日長時間インターネットを使う子どもは、

3年間で脳の体積がほとんど増加しなかったと報告。

特に重要なのは、
「勉強したら相殺できる」
という単純な話ではないこと。

研究では、

  • 1日1時間を超えると学力低下傾向
  • 3時間以上では、勉強時間や睡眠時間を確保しても成績が平均未満

という傾向が示されています。

つまり、
スマホ時間は単なる“時間泥棒”ではなく、

脳の学習システムそのものに影響している。

 

子どもより先に、大人の脳が試されている

そして、最も耳が痛かったのはここです。

富山大学の調査では、
子どもの長時間メディア利用と最も強く関連していたのは、

「母親のネット利用時間」でした。

母親の利用時間が2時間を超える家庭では、
子どもの依存リスクが大きく上昇。

これは、
「母親が悪い」という話ではありません。

むしろ逆です。

大人自身が、既にスマホ依存社会の中に組み込まれている。

通知、ショート動画、SNS、ニュース、炎上、
承認欲求。

大人ですら逃げられない。

だからこそ、子どもだけに「やめなさい」は通用しない。

まず必要なのは、
家庭全体で“脳を守る文化”を作ることなのだと思います。

 

「休肝日」があるなら、「休脳日」が必要

肝臓を休めるための週に2回の「休肝日」があるように、

今の時代、
脳にも休みが必要です。

私はこれを、

「休脳日」と呼びたい。

週に2日でいい。

  • SNSを見ない
  • ゲームをしない
  • ショート動画を見ない
  • 通知を切る

最初は落ち着かないと思います。

しかし、その「落ち着かなさ」こそが、
依存のサインです(依存症の末期は死です)。

脳は本来、

  • ぼーっとする時間
  • 自然を見る時間
  • 会話する時間
  • 退屈な時間

の中で育ちます。

特に子どもの脳は、
“刺激の洪水”ではなく、
“余白”によって成熟する。

 

AI時代だからこそ、「脳の主体性」が問われる

AI時代は、
情報量だけなら人間は絶対に勝てません。

だからこそ大切になるのは、

「何を見るか」「何を信じるか」
「いつ切るか」

を選ぶ力です。

刺激に反応し続ける脳ではなく、

一度止まり、考え、距離を取れる脳。

それが、
これからの時代の“理性”なのだと思います。

休脳日は、
単なるデジタルデトックスではありません。

子どもの未来と、
私たち自身の主体性を守るための習慣です。