あいデンタルメディカルクリニック コラム

生きやすくなる心理学

神経発達症をどうやって告知するか

 

神経発達症をどうやって、本人に告知するか

―よりよく生きるために、自分の取り扱い説明書を作ろう!―

 

“少数派”だと意識すると・・・

昔、ボストンに留学した時に感じたように

海外に行くと、多くの日本人は、

自分は少数派である”と意識すると思います。

英語のネイティブスピーカーでないことを

自分が過剰に意識してしまっているのでしょう。

しかし、日本語が劣っているわけではありませんし

日本語を話すことを卑下する必要もありません。

有名なハーバード大学の教授が若手医師に不整脈の質問をした時、

誰も答えられなかったので

最後に自分が正解を答えたら

周囲のみんなの自分を見る目が

ガラッと変わったと“感じた”ことがありました。

自分自身は何も変わっていないのに

捉え方が真逆になったことを覚えています。

 

“自分は何者か?” “自分らしくとは?”

小学校高学年や中学生になると

自分は少数派なのか”と少しずつ気づき始めます。

一般的に広まっている

“自閉症”、“発達の凸凹”といった負のイメージから類推して

否定的なレッテルで見られることを

極度に恐れ、恥だと思い

そのことを無視しようとします。

そのため、誰にも相談できずに一人で悩みます。

子供たちの孤独な自分との闘い

知られまいとして、

他者に対して、攻撃的になったりします。

そして、結局、自己否定の罠に陥ります

 

まずは、少数派であることを否定的に捉えないことです。

確かに、海外での日本人、左利きの人など

少数派の苦労があることは否定しません。

しかし、日本語が話せること、左利きであることは

日本人コミュニティーとの交流や、野球での左バッターなど

役に立ったり、活躍できる状況が存在します。

優劣ではなく、血液型のように、

脳のタイプが違うだけなのです。

物事にはかならず長所と短所があり、

長所と短所は表裏一体なのです。

 

物事を善悪の一つの価値判断だけで捉える(評価)のではなく

多面的捉えることが必要です。

発達の凸凹があると

興味が偏る傾向がありますが、

見方を変えれば、

これと思った時の集中力は人一倍あるのです。

 

発達の凸凹がある子には

大人の価値観を押しつけてはいけないと考えます。

何故なら、自己肯定感が育めないからです。

まずは、周囲の大人(心が許せる親や学校の先生)が

神経発達症という脳のタイプを理解

その子がどう感じ、どう行動するのかを

観察しましょう

評価はしません。

 

小学校3,4年生の、“10歳の壁”以降、

他者との違いに気づき(特に、否定的な気づき)、

困り感がでてくる時が(少し、実感がある)

告知のタイミングかもしれませんね。

 

大人は、

短所を長所として捉える(リフレーミング)訓練をしておきましょう。

まずは、既にできている、出来て当たり前を誉めます

苦手な部分は指摘するだけではなく

共感的に“困り感”を共有し

やりようによって長所と捉えられるんだよという

ポジティブな話をしていくのがよいと思います。

           あいデンタルメディカルクリニック院長 高橋一浩

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