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ノーベル賞(Treg発見)に思うmRNAワクチンの原罪
坂口志文先生ノーベル賞(Treg発見)に思うmRNAワクチンの原罪
1. 生物学には、以下のセントラルドグマという原理があります。
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分子生物学では
「DNA → RNA → タンパク質」という
情報の一方向性があるという大原理が
セントラルドグマです。
2. 免疫においても
「セントラルドグマ」と言える原理があります。
(A) ホメオスタシスの原理
免疫は免疫系システムの働きです。
システム全体でバランスを取っています。
つまり、「攻撃」と「抑制」が、必ず対になって働きます。
そうでないと、暴走しますからね。
- 攻撃側:エフェクターT/B細胞、炎症性サイトカイン
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抑制側:Treg、IL-10、TGF-β
👉 一方を強く刺激すれば、必ず抑制側も強まります。
(B) 抗原原罪(Original Antigenic Sin)
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最初に強く応答した抗原が「優先権」を持ち、
後から来る多様な抗原応答を制約します。
つまり、mRNAワクチンのように、
特定抗体を過剰に誘導すれば、
多様な免疫応答が抑えられてしまいます。
(C) 免疫編集(Cancer Immunoediting)
- がんとの関係は「除去 → 平衡 → 逃避」という不可避の三段階。
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免疫抑制環境(Tregの増加)があると、
腫瘍は生き延びます。
3. mRNAワクチンは、この原理(免疫のセントラルドグマ)に反しているのです。
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通常の免疫応答は
「抗原曝露 → 一過性の抗体産生 → 炎症収束」で終わります。
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しかしmRNAワクチンは、
体内で長期間にわたりスパイク抗原を産生し続けます。
- その結果:
- 抗原原罪 → 特定抗原(スパイク)への偏重し
- ホメオスタシス → 強い刺激に伴いTreg増加 → 他の免疫を抑制します。
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免疫編集 → 腫瘍免疫監視が弱まり、
がん進展リスクが理論的に増します。
4. 一文でまとめると
「免疫のセントラルドグマとは、
免疫応答は、“攻撃と抑制の均衡”に帰結し、
多様な抗原応答と腫瘍監視を維持するという原理です。
mRNAワクチンは特定抗原への持続的かつ過剰な刺激を与えることで、
この均衡を崩し、Treg誘導と抗原原罪を通じて他の免疫やがん免疫を抑制しうる点で、
セントラルドグマに背反する存在です。」
原罪、アメリカで明らかになってきている、
mRNAワクチン接種後の“ターボがん”の解明につながるのが
今回のノーベル賞のTregです。